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FIREの基準と早期リタイアとの違い

近年注目を集める「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」の基準と従来の早期リタイアとの違いについて解説します。

FIREとは

FIREとは、経済的自立と早期退職を意味します。英語の「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、経済的に自立し、定年よりも早く退職して自由な生活を送ることを目指す考え方です。FIREを実現するためには、会社からの給与収入に頼らず、投資の運用益などで生活できる状態を達成することが必要です。

欧米では、20代、30代といった若い世代の間でもFIREを達成し、自由な生活を送る動きが広がっています。このような若い世代のFIRE達成は、従来のアーリーリタイアとは一線を画すものです。

早期リタイアとの違い

従来の早期リタイアは、大量のお金を貯めて退職し、その後は貯蓄を切り崩して生活するスタイルです。退職後は主に貯蓄に頼り、年金受給が始まればそれを生活費に充てることもありますが、基本的にはリタイア前に貯めた資金を消費していきます。

一方、FIREは資産運用を前提としています。毎年の生活費を賄うために、投資から得る運用益を活用し、元本を減らさずに生活を続けます。これにより、従来の早期リタイアよりも少ない資金でリタイアを実現することが可能です。FIREでは、資産運用の成功によって得られる利益を元に生活を維持するため、長期的に経済的な安定を図ることができます。

サイドFIREの定義

完全なFIREを達成するには、毎年の支出の25倍の資産が必要です。例えば、年間支出が240万円の場合、FIRE達成には6000万円の資産が必要となります。しかし、この目標は非常に高く、多くの人にとって現実的ではないかもしれません。

ここで「サイドFIRE」という概念が登場します。サイドFIREとは、資産運用をメインにしながら、副業などの勤労収入を併用することで生活を支えるスタイルです。例えば、月々5万円の副業収入があれば、FIRE達成に必要な資産は4500万円に減少します。これにより、完全なFIREよりも達成しやすくなるでしょう。

サイドFIREでは、リタイア後も自分の好きな副業や趣味を通じて一定の収入を得ることで、より柔軟で現実的な経済的自立を目指します。

FIREと従来の早期リタイアは、どちらも定年を待たずにリタイアして自由な生活を送ることを目指す点では共通していますが、資産運用を前提とするかどうかで大きく異なります。FIREは、投資の運用益を活用して生活費を賄うことを基本とし、元本を減らさないことを目指します。
一方、サイドFIREは、完全なFIREが難しい場合に、資産運用と副業収入を組み合わせることで、より現実的かつ柔軟なリタイア生活を実現する方法です。

快適な暮らしを追求する皆様には、自身のライフスタイルや経済状況に応じて、最適なリタイアプランを見つけることが重要です。FIREやサイドFIREの考え方を取り入れることで、より自由で充実した生活を実現できるでしょう。