近年ではウェアラブルデバイスの技術もどんどん進歩しており、AppleWatchに代表される「スマートウォッチ」の存在もすっかり認知されています。
高級腕時計の値踏み
富裕層にとって時計とはどういうものなのでしょうか。以前、セレブのステータスのひとつとして「高級時計」をご紹介しました。これほど多くの高級時計メーカーがひしめき合い、競うように高級な時計を作り続けるとあっては、腕時計を愛用する富裕層やセレブたちの行動も変化します。
よりセンスのいい時計を。より珍しい時計を。より価格の高い時計を。高級な腕時計などいくらでも見つけられるので、お互いがお互いの腕時計を値踏みし合うという状況になります。良いモノを持っていると、あれはどこのブランドだろう、いくらなんだろうとつい勘ぐってしまうのは人の性なのでしょう。
富裕層やセレブたちにとって、持ち物の価格でひっそりと値踏みされてしまうことは日常茶飯事なのです。これは、時計に限らず、車でも同じことが言えるでしょう。しかし、そこに彗星のように現れ、一部の価値観を更新してしまったのがAppleWatchでした。
競争から抜け出すスマートウォッチ
前述したように、腕時計の価格は青天井。高級なものがいくらでも出てきます。しかし、AppleWatchの価格は高くても5万円前後。それでも腕時計にしては高級品ですが、他の高級腕時計と比べると安いものです。スマートウォッチという括りでみるならば、もっと安いものさえ見つけられます。
AppleWatchをつけることで、腕時計はステータスを示す装飾品ではなく、利便性の高いウェアラブルデバイスになります。運動時間や睡眠時間を記録でき、心拍数に異常があれば教えてくれるし、財布にもなるし、AirPods(イヤフォン)やカメラの操作すらできます。
健康維持や利便性のために身に付けるということで、腕時計による値踏みを避けるバリアのような役割を果たしてくれるのがスマートウォッチなのです。
スマートウォッチ”風”高級時計もある
高級時計へのアンチテーゼのように生まれたのが、H.モーザーの「Swiss Alp Watch(スイス アルプ ウォッチ)」。針も文字盤もないのですが、デジタル表示は一切できません。時刻を知るには、鐘の音に耳を澄ませるだけです。時計としてほとんど機能しないにもかかわらず、お値段はなんと4,000万円。さらに増産がリクエストされているほど人気もあるそうで、高級腕時計の常軌を逸した世界観が垣間見えます。